今では日本でも一般的に行われている1 on 1ミーティングですが、米系IT企業のベストプラクティスのひとつを模倣するモチベーションで導入されている傾向もあって、 正直"定期的な1 on 1ミーティング"なるツールがいつ頃発明されたか、よく分かっていません。
自分の知っている範囲では1995年に出版されたHigh Output Managementで一節を割いて取り上げられている例が文献として最も古く、 シリコンバレーIT企業の第一世代のインテル社の元CEO Andrew Groveによって書かれた本なので、 個人的には、仮に、こちらを起源としています。この本では、1 on 1は企業の価値創造プロセスを円滑にする経営ツールとして取り扱われており、 スタッフ育成やチームビルディングといった現在では中心に据えられているピープルマネジメントとしての役割が非常に薄いようです。
約30年も経てばマネジメントのスタイルは変わって当然ですし、本著が書かれてから社会的に積み重ねられたノウハウもあるかと思います。 そこで、言語化された、アップデート差分を求めて本を探しています。 できれば、日本ドメスティックでない方が良いなと思っているのですが、 1冊目として、こちらの本を選びました。
本書は、どちらかというと会社の方針など何らかの外部的な理由で1 on 1を行うことを決めたけど、具体的に何をしたら良いんだろう、という方を対象にしているようでした。 現代らしく1 on 1の建て付けはコーチングや傾聴を基本にしていました。
メモ
フォーマット的なもの
- 内容
- コミュニケーションのやりとりに、コーチング、ティーチング、フィードバックの3種類がある
- コーチング: 成長を促す質問を投げかける
- ティーチング: 正解を教えて学んでもらう、正解の対応を即座にしてもらう
- フィードバック: 部下が自分・同僚からどう見えているか伝える
- 部下の非言語的な表現に意識をすること
- 自らも傾聴していることを表現する振る舞いを意識する
- コンテンツの一例
- 進捗(うまくいった点、いかなかった点)
- その前回からの経験と学び
- コミュニケーションのやりとりに、コーチング、ティーチング、フィードバックの3種類がある
- 終わり(Next Action)
- ミーティングで取り上げた問題への対処は部下側に考えさせる
- 期限を決めさせてコミットを高める (「いつまでにやろうか」)
- 自分もアクションに関与することで実施率を高める (「手伝えることある?」)
運営的なもの
- 水曜日午後、木曜日にやると、経験の記憶が新鮮でNext Actionが翌日から実行できる
その他
1 on 1の社内展開をどのように行っていくか、各管理職に実施を確実にしてもらうかという論点もありました。今日現在の自分の問題意識には沿わず、そこは読み飛ばし。
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