PID制御のチューニング手法にはZiegler Nicholsの限界感度法はじめ様々な手法があるが、これらの手法がどのように異なるか簡単なケースについて調べた。
前提
むだ時間あり1次遅れ系(First-order plus deadtime; FOPDT)のPI制御を対象にチューニング手法のパラメータ比較。特に
の $ \tau = 1, L=1 $ のケースについてチューニング手法の結果をプロットする。システムをブロック線図で表すと下図。
現代制御的な手法はむだ時間なしの制御対象を
と表し、モデル化誤差が含まれたプラント$ \tilde{P} $に対してチューニングした上でロバスト性に期待する前提もおいてみる。
パラメータ観測用おもちゃ
複素関数解析を組み合わせて安定条件を解くむだ時間を持つ1次遅れ系のPI制御パラメータの解析的な分析で求めた安定領域(下図 緑の領域)を示したおもちゃがあるので遊んでいってください。 シミュレーションのタイムステップと積分誤差で境界より少し内側で振動し、境界上で発散するけど許して。
結果とウンチク
古典制御については過去エントリーの二番煎じ。図に書き加えた $ r, q $ は最適制御の重み付けパラメータ。1状態1入力システムの最適制御に導出経緯を掲載した。
$ H_\infty $ ノルム
モデル化誤差を含んだプラントのシステムの相補感度関数 $ \frac{\tilde{P}C}{1+\tilde{P}C} $ すなわち
をロバスト制御の考えに基づいて $ \vert G \vert_\infty < 1 $ となる $ K_p, K_i $ の領域を求めた。システムの$ L_2 $ゲイン
の最大値が$ \omega \in \mathbb{R}^+ $ によらず1未満であるのでsolve[{(a^2*x+b^2)/((b-x)^2+(a+1)^2*x)<1, a>0, b>0,x>0}] - Wolfram|Alphaから
このままだとプラントの前提知識がうすすぎるのでむだ時間をパデ近似で埋めてノルムを求める方法もある。
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