ナイキストの安定判別法と小ゲイン定理

Posted on 8/18/2020
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H∞制御の中心的役割を担う小ゲイン定理で求める制御安定(十分)条件はナイキストの安定判別法などから求まる必要十分な安定条件よりも保守的な条件として知られている。

一巡伝達関数
\[ P(s) = \frac{K_p}{\tau s+1}e^{-Ls} \]
で与えられる閉ループ系が安定であるための$K_p$の条件を求めよ

ナイキスト線図を用いて安定条件を求めます。PI制御チューニング : Ziegler Nicholsの限界感度法 - むだ時間ありの1次遅れ系への適用から、

\[ K_p \in \left[0, \sqrt{(\tau \omega_0)^2 + 1}\right) \qquad s.t. \arctan(\tau \omega_0) = \pi - L \omega_0 \]

小ゲイン定理では

\[ \Vert P(j\omega) \Vert_{\infty} < 1 \]
となる$ K_p $の範囲が求める範囲。線形時不変システムでは
\[ \Vert P(j\omega) \Vert_{\infty} = \sup_\omega \vert P(j\omega) \vert < 1 \]
です。これから
\[ \Vert P(j\omega) \Vert_{\infty} = \sup_\omega \left| \frac{K_p}{\sqrt{(\tau \omega)^2 + 1}} \right| = K_p \]
なので
\[ K_p \in [0, 1) \]
ここで、$\omega, \tau > 0$なので明らかに$[0,1)\subset{\left[0, \sqrt{(\tau \omega_0)^2 + 1}\right)}$であって、 保守的な条件になっていることがわかります。

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