連続系PID制御 : DCモータの速度制御

プラントをDCモータに限定して、電圧(PWMなど)で速度制御する場合を考えます.
今回は、PID制御とI+PD制御について伝達関数を求めます.

1. PID制御の場合

このシステムのブロック線図は、

記号LRKeJ
定義・単位電機子インダクタンス
[H]
電機子抵抗
[Ohm]
誘起電圧定数
[V/(rad/s)]

トルク定数
[Nm/A]

※ 両者等しい 
モータ軸イナーシャ
[kg m^2]

これを等価変換すると、バネマスダンパ系にPID制御を適用した場合と同等のシステムと考えられます.

この時の負荷トルクTd[Nm]および速度指令値ω*[rad/s]に対する応答は、

\[ \omega = \frac{K_e K_d s^2+K_e K_p s+K_e K_i}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}\omega^{*} - \frac{s}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i} (Ls+R)Td \]


2. I+PD制御の場合

ブロック線図は、

これを同様に等価変換すると

この時の負荷トルクTd[Nm]および速度指令値ω*[rad/s]に対する応答は、

\[ \omega = \frac{K_e K_i}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}\omega^{*} - \frac{s}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}(Ls+R)Td \]

となります.

同じ$ K_p, K_d, K_i $のパラメータを使った場合で比較すると、
PID制御と比較してI+PD制御は
  ・ 目標追従の面で少しおとなしい応答
  ・ 外乱に対しては同じ応答性を有する
といえそう.

その分、逆に、その分、$ K_p, K_d, K_i $をもう少し過激にチューニングして、
外乱に対する応答を良くする考え方もできるのではないだろうか?

I+PD制御という構成は状態フィードバック制御で良く使われる考えだと思います.

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