デジタル制御:最初の最初 ②

デジタル制御:最初の最初①で、デジタル制御を連続系で近似する方法があることを知りました.
今回は近似の効能を確認するところをスタートにしてみます.

制御系のモデルとしては、ここまでで3つあります.

  1. 連続系:オリジナル
  2. デジタル制御
  3. ②を連続系に近似したもの


ここで、$ K_E = 1 $, $ \tau_m = 1 $ とします.
さらに、PIコントローラの係数として$ K_p = 112 $, $ K_i = 3947 $を採用して、
①の閉ループ伝達関数 $ \frac{2\omega \zeta s + \omega^2}{s^2+2\omega \zeta s + \omega^2} $が、$ \omega = 10Hz $, $ \zeta = 0.9 $程度になるように調整しました.
センサのサンプリング周期 $ T_s $は制御周期 $ T_c $の1/100未満として、
サンプリングによるむだ時間などは無視できると仮定しましょう.


確認のため、連続系(オリジナル)のステップ応答を確認すると以下の通りです.
次に、制御周期を1kHz ( $ T_c = 1msec $)として、計算してみます.
閉ループ系の周波数帯域が10Hz程度であるのに対して制御系が1kHzあるので、
デジタル化による問題は生じてないように見えます.

まだまだ制御周期を落としてみましょう.500Hzと250Hzです.
250Hzで「連続系近似」が「デジタル制御」を近似できなくなってきているように見えます.
さらに制御周期を落として、125Hzと62.5Hzです.62.5Hzに至っては遂に発振してしましました.
この発振するかしないかの閾値は、この系の場合だと70Hz前後にあり、
そこ周辺の制御周波数でシミュレーションしてみると
75Hzで収束し、70.5Hzで持続的な振動が起こる…という現象が見られます.

この辺では「連続系近似」はもはや用をなしていないですね.

この70Hzという数字、どこから来たのでしょう.

つづく⇒ デジタル制御:最初の最初 ③ 

No comments:

Post a Comment