バネマスダンパ系に対応した状態制御を考えるために、
2状態1入力システムに対する状態フィードバック+積分制御する系を考える
(1状態1入力システムと同様)
バネマスダンパ系プラントを扱ったエントリーと同じM, c, kを使い
$ A\equiv \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ -\frac{c}{M}&-\frac{k}{M} \end{bmatrix}\equiv \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ -a_1&-a_2 \end{bmatrix}$ ,$ B\equiv \begin{bmatrix} 0 \\ \frac{b}{M} \end{bmatrix}\equiv \begin{bmatrix} 0 \\ K \end{bmatrix}$
そして、$ X \equiv \begin{bmatrix} x \\ \dot{x} \end{bmatrix} $とすると、
$ X $を行列のまま扱うと少しわかりにくいので
同伴型[1]に展開してブロック線図を描くと
この時、
\[
\frac{d}{dt} \begin{bmatrix} z \\ x \\ \dot{x} \end{bmatrix}
= \begin{bmatrix}
0 & 1 & 0\\
0 & 0 & 1\\
0 & -a_1 & -a_2
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix} z \\ x \\ \dot{x} \end{bmatrix}
+\begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ K \end{bmatrix}u \]
この系に対して最適制御入力を求める。
\[J = \int_{0}^{\infty}\left \{ \begin{bmatrix} z & x & \dot{x} \end{bmatrix}\begin{bmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & q_1 & 0 \\
0 & 0 & q_2 \\
\end{bmatrix} \begin{bmatrix} z \\ x \\ \dot{x} \end{bmatrix}+ru^2\right \}dt\]
この方程式を満たす対称正定行列 Pはリカッチ方程式
\[A^T P+PA+Q-PBR^{-1}B^TP=0\]
を満たす。
ただし、
\[P\equiv \begin{bmatrix}
X_1 & X_2 & X_3 \\
X_2 & X_4 & X_5 \\
X_3 & X_5 & X_6 \\
\end{bmatrix}, X_1,X_2,X_3,X_4,X_5,X_6>0\]
これを解いていくと
\[\begin{bmatrix}
-\frac{K^2 X_3^2}{r}+1 & -\frac{K^2 X_3 X_5}{r}-a_1 X_3 + X_1 & -\frac{K^2 X_3 X_6}{r}-a_2 X_3 + X_2 \\
-\frac{K^2 X_3 X_5}{r}-a_1 X_3 + X_1 & -\frac{K^2 X_5^2}{r}-2 a_1 X_5 + 2 X_2 + q_1 & -\frac{K^2 X_5 X_6}{r}-a_1 X_6 - a_2 X_5 + X_3 + X_4 \\
-\frac{K^2 X_3 X_6}{r}-a_2 X_3 + X_2 & -\frac{K^2 X_5 X_6}{r}-a_1 X_6 - a_2 X_5 + X_3 + X_4 & -\frac{K^2 X_6^2}{r}-2 a_2 X_6 + 2 X_5 +q_2 \\
\end{bmatrix}=0 \]
これの一般解が複雑なので、式で表すと、
\[ X_3 = \frac{\sqrt{r}}{K} \]
\[ X_5 = \frac{K^2 X_6^2}{2r}+a_2X_6-\frac{q_2}{2}\]
\[ \frac{K^6}{4r^3}X_6^4 + \frac{K^4a_2}{r^2}X_6^3
+(\frac{K^2 a_2^2}{r}+\frac{a_1 K^2}{r}+\frac{q_2 K^4}{2r^2})X_6^2\\ +(\frac{K^2a_2q_2}{r}+2a_1 a_2+\frac{2}{\sqrt{r}})X_6 +(-\frac{2\sqrt{r}a_2}{K}-q_1+a_1 q_2)=0\]
$ X_6 $は4次方程式. この解を求めるには…>> 四次方程式の解 - 高精度計算サイト
そして、$ X_6 $は以下を満たすように選ぶ.
\[ (X_2=) \frac{X_6}{\sqrt{r}}+\frac{a_2 \sqrt{r}}{K} > 0 \]
\[ (X_1=) \frac{K X_4}{\sqrt{r}}+\frac{a_1 \sqrt{r}}{K}>0 \]
\[ (X_5=) \frac{K^2 X_4 X_6}{r}+a_1 X_6 + a_2 X_4 - \frac{\sqrt{r}}{K}>0 \]
最適制御フィードバックゲインは
\[FB=-R^{-1}B^TP=-\frac{K}{r}\begin{bmatrix} X_3 & X_5 & X_6 \end{bmatrix} \]
この行行列の1項目からPID制御でいうところの$ K_i, K_p, K_d $に相当する.
(この場合、最適制御はPID制御チューニングの方法の一種ともいえます)
[1] : 制御工学 (JSMEテキストシリーズ) など
No comments:
Post a Comment