Azure WebAppで認証付きのFlaskアプリをデプロイする

Posted on 6/30/2019
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作りたいもの

KintoneとかSansanやらの導入でWebAPI経由でデータを整理して表示する的なウェブアプリ(ウェブページ)が欲しくなることが増えてきました。

まずはMicrosoftのアカウントなどを利用してAzure上でアプリを限定公開する仕組みのお勉強。

実施事項 お品書き

Azureでウェブアプリを作ったことないので、そこから体験。

  1. WebAPPのチュートリアルに従いFlaskアプリのデプロイ
  2. WebAPPに認証の仕組みを導入

こんなフォルダ構成で進めようと思います

webapptest
├─env (pythonのvirtual env)
└─python-docs-hello-world (デプロイするウェブアプリ)

環境情報

ローカルでFlask

まずはFlaskアプリをちょいちょいと起動して確認。

mkdir webapptest
cd .\webapptest\
git clone https://github.com/Azure-Samples/python-docs-hello-world
python -m venv env
.\env\Script\activate
pip install -r .\python-docs-hello-world\requirements.txt
Set-Item Env:FLASK_APP ".\python-docs-hello-world\application.py"
flask run

これで、localhost:5000に、"Hello World"が出るはず。 Ctrl+Cでサーバを止めます。

Azure WebAppのデプロイ

動作確認したアプリをazure側に…. 東日本にアプリ立てます。

az webapp upはリソースグループからサービスプラン、アプリ環境立ち上げ、deployするファイルのzip化とDeployまで1コマンドでやってくれます。

アップロードされたものの中身はサーバ側の"site\wwwroot"にそのまま展開されます。azure portalでほって行くとsshが用意されているので、それを使って確認できます。

 cd .\python-docs-hello-world\
az login
az group create -n devtest -l japaneast
az webapp up -n pid123 -l japaneast -p webappfree -g devtest --sku free

これでhttp://<app-name>.azurewebsites.net にデプロイされているはず(ここではpid123が<app-name>)

ちなみに…

az webapp upにwebappのテナント作るまでを手でやるとしたら下記相当なんですが、powershellだと"python|3.6"の|が何故かパイプと認識されるみたいで""""とするなどカッコをカッコで囲う必要があります。

az appservice plan create -g devtest -n webappfree -l japaneast --sku FREE
az webapp create -g devtest -n pid123 -p webappfree -r '"python|3.6"'

zipでアップロードしてデプロイする場合は、アップロードする内容をdeploy.zipに固めて…下記っぽい。未だうまく行っていないので原因究明中。

az webapp deployment source config-zip -g devtest -n pid123 --src deploy.zip

認証の設定

Azure-Portalでwebappのページへ行きます。設定ページでAuthentificationの項目へ飛び、認証を有効にすると設定できます。

アカウント毎にアクセス制御をしたい場合は、Azure Active Directoryを選択し、許可のルールを設定するみたいです。

参考文献

ワイブル分布パラメータの推定手法の比較

Posted on 5/14/2019
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前回の記事で、データの規模がある程度大きくても、 生データから累積ハザード関数や不信頼度関数を推定してそこにワイブル分布に当てはめる手法(累積ハザード法とメジアンランク法) と生データを直接ワイブル分布に当てはめる方法(最尤法とベイズ推定)で、結果に差があることがわかりました。 求めたハイパーパラメータのワイブル分布とEmprical CDFとの比較をすると前者のほうが生データに近そうです。 理由を少し深掘りします。

おさらい

どんなデータ?

Engelhardt et al. 1981より孫引きしたアルミA6061-T6の疲労破壊試験データを使いました。

サンプルデータセット
($ 10^3 $ サイクル単位の破壊寿命(サイクル数); N=101)

70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212

懸案のCDF比較結果

累積ハザード法とメジアンランク法がEmpirical CDFによく当てはまっている一方で、最尤法とベイズ推定は分布の端っこで乖離している傾向でした。

仮説と検証

ECDFへの当てはまりのよい手法はチート(Match fixing)では?

累積ハザード法とメジアンランク法がフィットしているのは、各手法で求めた累積ハザード関数や不信頼度関数がEmpirical CDFとよく一致しているからでは? ⇔ 実質ECDFに対する最小二乗法をした状態になっているからでは?

累積ハザード法で求めた累積ハザード関数 $ \hat{H}_{cum} $, メジアンランク法で求めた不信頼度 $ \hat{F}_{med} $ およびEmprical CDF $ \hat{F}_{emp} $ をプロットします。$ F(t) = 1 - exp(H(t)) $ の関係を使います。

plt.plot(x_emp, y_emp, marker='.', linestyle='none', label='ecdf')
plt.plot(df['k-cycles'], 1-np.exp(-df['H']), marker='+', linestyle='none', label='ecdf')
plt.plot(df['k-cycles'], df['med-rank-F'], marker='^', linestyle='none', label='ecdf')
plt.xlabel('k-cycles')
plt.ylabel('CDF')
plt.legend(['Empirical CDF','Cum-Harzard CDF','Med-Rank CDF'])

なんかもう… 言うまでもなく仮説どおりっぽい。

この手法で最大化している尤度関数は\[ \mathcal{L}(m, \eta, \sigma^2; ln ln \frac{1}{1-\hat{F}(X)},ln X) = (2\pi\sigma^2)^{-N/2}exp(-\frac{1}{2\sigma^2}\sum_{i=1}^N(ln ln \frac{1}{1-\hat{F}(x_i)}-(m ln x_i+m ln \eta))^2) \] であって、これがEmpirical CDFへの回帰問題($ \mathcal{L}(m, \eta, \sigma^2; \hat{F}(X), X) = (2\pi\sigma^2)^{-N/2}exp(-\frac{1}{2\sigma^2}\sum_{i=1}^N(\hat{F}(x_i)-(1-exp(-(x_i/\eta)^m)))^2) $ の最大化) に近いということだったわけですね。

最尤法では何が起きたか?

最尤法で直接分布を推定する場合、尤度関数は\[ \mathcal{L}(m, \eta; X) = \prod_{i=1}^N \frac{m}{\eta}(\frac{x_i}{\eta})^{m-1}exp(-(\frac{x_i}{\eta})^m) \] です。Log-Likelihood関数は \[ \ell(m, \eta; X) = \sum_{i=1}^N ln(\frac{m}{\eta})+(m-1)ln(\frac{x_i}{\eta})-(\frac{x_i}{\eta})^m \] から、ちょっと絵を描いてみます。

特性寿命に比べてワイブル係数のほうが穏やかな勾配になっている印象。 ワイブル係数の"誤差"は尤度に与える影響としては低そうなので、特性寿命を143に固定してワイブル係数が6の場合(≒最尤法やベイズで求めた値)と7の場合(≒メジアンランク法等で求めた値)のLog-Likelihood関数の値を眺めます。

def LLF_Weibull(x, m, eta):
  return -(x/eta)**m+(m-1)*np.log(x)+np.log(m)-m*np.log(eta)

df['MLE(143,6)']=LLF_Weibull(df['k-cycles'],6,143)
df['MLE(143,7)']=LLF_Weibull(df['k-cycles'],7,143)
ax = df[["MLE(143,6)","MLE(143,7)"]][::4].plot.bar(figsize=(13,4))
ax.xaxis.tick_top()

尤度関数に与える影響は裾の端っこの方が大きく、特に212k-cyclesや196k-cyclesといったデータの影響でワイブル係数が7から6に引っ張られていると見ても良さそうです。

最後にサンプルと確率密度関数を比べてみます。

def weibull_pdf(x, eta, m):
  return m/eta*(x/eta)**(m-1)*np.exp(-(x/eta)**m)

num_bins=20

fig, ax = plt.subplots()
n, bins, patches = ax.hist(df['k-cycles'],num_bins, density=1)
y1 = weibull_pdf(bins, 143, 6)
y2 = weibull_pdf(bins, 143, 7)
ax.plot(bins, y1, '--')
ax.plot(bins, y2, '--')
plt.legend(['6','7','df'])
plt.show()

分布の裾野「起こる確率の低いはずのことが起こったのだから、その分、『裾が高い』方が正しいのだ」とでも言われているような気がしてきます。

お粗末!!

ワイブル分布パラメータの推定(完全データセット)

Posted on 5/06/2019
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機械製品はじめハードウェアものの寿命推定には昔からワイブル分布がつかわれてきました。IoT時代に取り沙汰される製品個体ごとの寿命予測と違って、製品設計企画や運用計画で使う期待値的な側面が強い内容ですが、 歴史が長いだけあって手法が様々開発されていたり、 市場データが不完全な場合(truncation)や市場負荷を模擬した耐久試験で打ち切り(censor)がある場合など、 様々なケースを想定していたりするので勉強と思って棚卸しします。

まずは、完全なデータを使う場合を考えます。

データセット

アルミA6061-T6の疲労破壊試験データを使います。データはEngelhardt et al. 1981より孫引きしました[1]。

サンプルデータセット
($ 10^3 $ サイクル単位の破壊寿命(サイクル数); N=101)

70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212

分布はこの通り

累積ハザード法

Truncationのあるデータにも使える手法で、ワイブル確率紙を使う前提のアナログ信頼性工学では定番だそうです。

手順に従って逆順位から累積ハザード関数H(t)を推定します。手順は[2]を参照。

import pandas as pd
df = pd.DataFrame({'k-cycles':
                  [70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
                    107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
                    114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
                    121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
                    129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
                    131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
                    134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
                    141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
                    144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
                    155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
                    163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212]})
df['reverse-rank']=df.rank(ascending=False)
df['hazard-value']=1/df['reverse-rank']
df['H']=df['hazard-value'].cumsum()

プロットするとこうなります。

ax=df.plot(x='k-cycles', y='H', loglog=True)
ax.grid(True,which='minor')

特性寿命 $ \eta $ と ワイブル係数 $ m $ は、$ H(t) = (t/ \eta)^m $ であるから、$ ln H(t) = m \cdot ln (t) - m \cdot ln(\eta) $ ですね。

import numpy as np
from scipy import stats
df['log-k-cycles']=np.log(df['k-cycles'])
df['log-H']=np.log(df['H'])
slope, intercept, r_value, p_value, std_err = stats.linregress( df['log-k-cycles'], df['log-H'])
print("m:%f, eta:%f"%(slope, np.exp(-intercept/slope)))

プロットはちょっと歪んでますが最小二乗法的に割り当てて、$ ln H(t) = 7.043 ln(t) - 34.934 $ と求まるので、$ \hat{\eta}_{cum} = 143 (10^3 Cycles) $, $ \hat{m}_{cum} = 7.04 $.

メジアン・ランク法

累積ハザード法と異なり全故障での条件でしか使えない方法ですが、累積故障率 $ F(t) $ をメジアン・ランクを用いて推定する手法です。Benard and Bosi-Levenbach (1953) の近似式 $ \frac{i-0.3}{n+0.4} $ を用いて計算します(nは標本サイズ、iは故障順位).

先程と同様にサクサクいきます。手順は[3],[4]を読み解く。

import pandas as pd
import numpy as np
df = pd.DataFrame({'k-cycles':
                  [70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
                    107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
                    114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
                    121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
                    129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
                    131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
                    134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
                    141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
                    144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
                    155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
                    163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212]})
df['rank']=df.rank()
df['F']=(df['rank']-0.3)/(len(df.index)+0.4)
df['1-Finv']=np.log(1/(1-df['F']))

プロットは先ほどと形状があまり変わらないのでスキップ。

特性寿命 $ \eta $ と ワイブル係数 $ m $ に対して、不信頼度 $ F(t) = 1- exp(-\frac{t}{\eta}^m) $ であるから、$ ln ln \frac{1}{1-F(t)} = m \cdot ln (t) - m \cdot ln(\eta) $ ですね。こちらも本来はワイブル確率紙を使う前提の手法ですが手作業簡略化働き方改革で最小二乗法的に特性寿命とワイブル係数求めます。

from scipy import stats
df['log-k-cycles']=np.log(df['k-cycles'])
df['log-log-1-Finv']=np.log(df['1-Finv'])
slope, intercept, r_value, p_value, std_err = stats.linregress( df['log-k-cycles'], df['log-log-1-Finv'])
print("m:%f, eta:%f"%(slope, np.exp(-intercept/slope)))

結果として$ \hat{\eta}_{med} = 143 (10^3 Cycles) $, $ \hat{m}_{med} = 7.18 $.

最尤法(Maximum Likelihood Estimation; MLE)

かつては、解析学を駆使した手法ですが、コンピュータ技術の進展により何の面白みもなくScipyで結果が出るようになってしまいました。シンプルに求めまs。Scipyのドキュメントだけでは、ちょっとわからなかったので[5]を参照。

立式については材料 第24巻 第262号にごっついのが掲載されているので参照してくだされ。

import pandas as pd
import numpy as np
from scipy import stats

df = pd.DataFrame({'k-cycles':
                  [70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
                    107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
                    114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
                    121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
                    129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
                    131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
                    134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
                    141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
                    144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
                    155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
                    163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212]})
# flocはloc(=location)に対してfixed locationの意味。fitで強制的にloc=0にする。
params = stats.exponweib.fit(df, floc=0, f0=1)
m = params[1]
eta = params[3]
print("m:%f, eta:%f"%(m, eta))

結果は$ \hat{\eta}_{mle} = 143 (10^3 Cycles) $, $ \hat{m}_{mle} = 6.07 $.

ベイズ推定

以前mamba.jlを使ったこともありますが、今回はPyMCで行きます。

Reparameterizing the Weibull Accelerated Failure Time Model — PyMC3 3.6 documentationを参考に、$ m $は対数正規分布からサンプリングし、$ \eta $ は、$ m \cdot ln(\eta) $ が正規分布になるようにサンプリング。

import numpy as np
import pymc3 as mc
import pandas as pd
from theano import tensor as T

df = pd.DataFrame({'k-cycles':
                  [70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
                    107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
                    114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
                    121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
                    129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
                    131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
                    134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
                    141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
                    144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
                    155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
                    163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212]})

# Hazard function
def weibull_lccdf(x, m, eta):
    return -(x / eta)**m

with mc.Model() as model:
  m_sd = 10.0
  m_raw = mc.Normal('m0', mu=0, sd=0.1)
  m = mc.Deterministic('m', T.exp(m_sd * m_raw))

  mu = mc.Normal('mu', mu=0, sd=100)
  eta = mc.Deterministic('eta', T.exp(mu/m))
  
  y = mc.Weibull('y', alpha=m, beta=eta, observed=df['k-cycles'])

# 5000イタレーション, バーンイン2000, チェーン数4
with model:
  trace = mc.sample(draws=5000, tune=2000,chains=4,
                        nuts_kwargs={'target_accept': 0.95},
                        init='adapt_diag')

サンプリング効率が良くないとのエラーが出ますが、先へ進みます。

mc.traceplot(trace, varnames=['m', 'eta'])

収束しているようですね。

mc.summary(trace, varnames=['m', 'eta']).round(2)
  mean sd mc_error hpd_2.5 hpd_97.5 n_eff Rhat
m 5.98 0.41 0.01 5.16 6.76 3356.5 1.0
eta 143.14 2.54 0.02 138.23 148.23 12407.2 1.0

結果は$ \hat{\eta}_{bay} = 143 (10^3 Cycles) $, $ \hat{m}_{bay} = 5.98 $.

まとめ

点推定値

  累積ハザード法 メジアン・ランク法 最尤法 ベイズ推定
$ \eta $ 143 143 143 143
$ m $ 7.04 7.18 6.07 5.98

サンプル数が100程度と非常に"大きかった"こともあり、特性寿命 $ \eta $は手法によらず143k-Cycle程度。他方でワイブル係数 $ m $ がばらつく。

実運用時には $ B_{10} $ 寿命やMTBF/MTTFを使う必要があるが、これを求める際に、このmのばらつきが大きく影響する。

ISO19973-1/JIS B8672-1 空気圧-試験による機器の信頼性評価の編纂に関わったとする著者のページ信頼性解析(理論編)には、その周辺も含めた知恵への言及があるので、ぜひ読んでみてください。

CDFの比較

Empirical CDFと各手法で推定したパラメータによるCDFをプロット。最尤法とベイズ推定が分布の端っこでEmpirical CDFから乖離している傾向。コードは後述。

信頼性解析ソフトWeibull++のユーザーページによるとMLEで推定したワイブル係数 $ \hat{m}_{mle} $はバイアスしがちだそう[The Weibull Distribution - ReliaWiki]. H. Hirose(1999)の補正式を使うと良くなるらしいので盲目的に試してみたが、サンプル数が十分にある例であるためか補正の結果は目に見えなかった。残念。

プロットのコード

import matplotlib.pyplot as plt
import pandas as pd
import numpy as np

df = pd.DataFrame({'k-cycles':
                  [70, 90, 96, 97, 99, 100, 103, 104, 104, 105,
                    107, 108, 108, 108, 109, 109, 112, 112, 113, 
                    114, 114, 114, 116, 119, 120, 120, 120, 121,
                    121, 123, 124, 124, 124, 124, 124, 128, 128,
                    129, 129, 130, 130, 130, 131, 131, 131, 131,
                    131, 132, 132, 132, 133, 134, 134, 134, 134,
                    134, 136, 136, 137, 138, 138, 138, 139, 139,
                    141, 141, 142, 142, 142, 142, 142, 142, 144,
                    144, 145, 146, 148, 148, 149, 151, 151, 152,
                    155, 156, 157, 157, 157, 157, 158, 159, 162,
                    163, 163, 164, 166, 166, 168, 170, 174, 196, 212]})

def ecdf(data):
    n = len(data)
    x = np.sort(data)
    y = np.arange(1, n+1) / n
    return x, y
  
def weibull_cdf(x, eta, m):
  return 1-np.exp(-(x/eta)**m)
  
x_emp, y_emp = ecdf(df['k-cycles'])
x = np.linspace(np.min(df['k-cycles']), np.max(df['k-cycles']), 50)
y_cum = weibull_cdf(x, 142.54, 7.04)
y_med = weibull_cdf(x, 142.72, 7.18)
y_mle = weibull_cdf(x, 143.16, 6.07)
y_bay = weibull_cdf(x, 143.14, 5.98)

plt.plot(x_emp, y_emp, marker='.', linestyle='none', label='ecdf')
plt.plot(x, y_cum, label='Cum Hazard M curve')
plt.plot(x, y_med, label='Med-Rank curve')
plt.plot(x, y_mle, label='MLE fit curve')
plt.plot(x, y_bay, label='Bayse fit curve')
plt.xlabel('k-cycles')
plt.ylabel('CDF')
plt.legend(['ecdf','Cum-Hazard', 'Med-Rank','MLE','Bayse'])
plt.yticks(np.arange(0, 1.1, step=0.1))
plt.show()

# Hirose 
r = 101
y_umle = weibull_cdf(x, 143.16, 6.07/(1.0115+1.278/r+2.001/r**2+20.35/r**3-46.98/r**4))
plt.plot(x_emp, y_emp, marker='.', linestyle='none', label='ecdf')
plt.plot(x, y_mle, label='MLE fit curve')
plt.plot(x, y_umle, label='Unbiased MLE fit curve')
plt.legend(['ecdf','MLE','Unbiased-MLE'])
plt.show()

3パラメータワイブル

廣瀬先生に3パラメータの方が良さそうなデータではないかとコメントを頂いたので試します。

こちらの通り、フィッティングは改善。 パラメータは、特性寿命 $ \hat{\eta}_{mle3} = 80.9 $, 位置パラメータ $ \hat{\theta}_{mle3}=60.9 $, ワイブル係数 $ \hat{m}_{mle3}=3.5 $ です。 結果の解釈をどうしようか迷います。

# 3 params MLE
params = stats.exponweib.fit(df,f0=1,loc=0)
m = params[1]
theta = params[2]
eta = params[3]

2パラメータMLE/ベイズのEmpirical CDFとの乖離はどこから来たか?

別記事で少し掘りました→ワイブル分布パラメータの推定手法の比較 - 夜間飛行

参考

[1]Inferences on the Parameters of the Birnbaum-Saunders Fatigue Life Distribution Based on Maximum Likelihood Estimation
サンプルとして使った6061-T6アルミ合金の疲労破壊試験データの引用元。もともとはEstimation for a Family of Life Distributions with Applications to Fatigueのもので、孫引きにあたります。
[2]ワイブル型累積ハザード解析を用いた除雪機械の故障傾向の把握
累積ハザード法の解説
[3]確率紙による分布推定
ワイブル確率紙とメジアン・ランク法等の説明。穴埋めになっているところは下記メディアランク表のページなどから穴埋めしてくだされ。
[4]付表:メディアンランク median rank — 中川雅央(滋賀大学)
メジアンランク法の補正係数数表
[5]python – Scipyを使ってワイブル分布を当てはめる - コードログ
Scipyでワイブル分布の最尤法を行う方法。RやMatlabと結果が違うという不穏な一言が。